モル濃度の計算問題「濃度変換」と「希釈」の解法は暗記するな!

どうも、受験化学コーチわたなべです。長い間ネット上で受験化学を教えていますが、モル濃度計算ほどいろんなダメな解法が出回っている分野はありません。

 

モル濃度から%濃度へ変換、%濃度からモル濃度へ変換と別々の解法として覚えちゃっている人がいます。しかし、これらは非常に危険です。

 

なぜなら、濃度計算問題は、これらのパターンだけでなく質量パーセント濃度や溶解度などいくらでもいろんな種類の問題を作れてしまうのです

 

1個ずつ覚えるのはあまりにも非効率的なのです。ですが、安心してください。僕も一個ずつ解法を覚えているわけではありません。ですが、これらの濃度計算はめちゃくちゃ得意ですし、教えるのも得意です。

 

僕のもとで学んだ生徒も濃度計算は絶対に間違えないレベルになります。早速結論から言います。

モル濃度計算の解法

モル濃度の計算問題の解法2パターン

  • 濃度変換なら単位変換
  • 希釈ならモルを求めて等号でつなぐ

この2パターンの問題が濃度計算がありまして、これら2つの問題の区別さえついたらケアレスミスがない限り濃度計算で間違うことはありえません。

※この記事は問題をじっくり読んで欲しいので5分はみておいてください。5分あれば十分理解できると思います。休み時間にでもじっくり読んでみてください。

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希釈ならモルを求めて等号でつなぐ

希釈

希釈とは、濃度を薄める行為です。このような希釈問題は必ずこの解法を使います。

重要ポイント

希釈問題は、薄める前後で溶質のモルで等号を繋げ!

希釈の問題の方針

希釈すると、溶液の体積も、溶液の質量も、溶液の濃度も変化します。しかし、唯一変わらないものが溶質です。溶質の質量もモルも変わりません。

 

よって、溶質で関係式を作るのです。これも前回の記事で書いた計算問題の基本である「モル利用、モル比」です。モルに変換してそれをモル比を使って関係式を作り、

モル濃度の濃度変換は単位変換

濃度変換の解法
モル濃度から他の濃度に変換する問題は、分子分母別々に単位を変換すれば、解法暗記に一切頼らなくて済む。

濃度変換問題は、非常に残念な解法が出回っています。

 

これを濃度変換テンプレートと言います(わたなべ命名なので、学校の友達に言っても誰も共感してもらえません)。濃度変換は変換の前と後を両方書いて、分子分母を別々に変換するんですよ。

 

この解法をマスターするためには、まずは濃度の単位をバッチリ覚える必要があります。

濃度の単位を超正確に覚える

濃度の単位の覚え方

濃度の単位は、完璧に正確に覚えてくださいね。ちなみにパーセント濃度などは100を掛けてません。

 

これ( )内部までしっかり覚えるんですよ。なぜ( )内部まで覚えるのかというと、溶液全体の質量gを溶質のmolに変換することはできないからです。

 

g(全)を分子量で割ってmol(溶質)を作ることはできないのです。これめちゃくちゃ多いですよ。

濃度変換テンプレート「変換前の単位から変換後の単位へ分子分母別々に変換する」

濃度の変換問題は、単位を変えるだけの話なんですよ。例えば、

濃度の単位変換

このような単位変換があったとしたら、分子分母別々にA→C、B→Dへ変換するのです。

単位変換

これを具体的な単位でもやっていくだけです。具体例として、パーセント濃度からモル濃度に変換する方法で解説していきます。

パーセント濃度の分子だけ変換

このように分子を変換します。

mol(溶質)/g(溶質)は分子量の逆数

さらに次に、分母を変換していきます。

分母の変換

mL(全)/g(全)は密度の逆数

よって、

モル濃度からパーセント濃度への変換

このように、難しいことを考えずに単位だけを変換すれば自ずとどのように計算をすればいいのかがわかるようになるのです。ちなみに、モル濃度からパーセント濃度へ変換する問題の解法は詳しくはこちらで解説しております。

この手の問題で一番重要なのが、とにかくパターン暗記に走らないことです。パターンなんて覚えても仕方がありません。だって、こんな変換無限に問題を作れるんですから。

%→mol/L

mol/L→mol/kg

mol/kg→%

などなどどれが出てもおかしくないのに、いちいちパターンを覚えてたら、いくら記憶力がよくてもキリがないし忘れてしまって解けなくなるのは勿体無いですね。

 

何も覚えることはなく、分子分母の単位を変えるだけだと覚えておきましょう。

よくある間違い

密度からモル濃度へ変換することは難しい

よ〜くやりがちなのが、密度からモル濃度へ直接変換しようとするパターンです。

密度からモル濃度へ変換できない

これやってはいけないことです。密度からモル濃度へ変換することはやってはいけません。なぜなら、密度の分子のgは溶液全体を表し、モル濃度の分子のmolは溶質のmolを表すからです。

 

なので、これは完全なる間違いです。

それでは、ここまでを活かして問題を解いていきましょう。

例題

市販の濃硫酸は質量パーセント濃度96%、密度1.84g/cm3である。水で薄めて6.0mol/Lの希硫酸500mLを作りたい。何mLの濃硫酸が必要か。

さあ、ぜひ考えてみてください。

。。。

 

。。。。

 

考えましたか?

この問題を見てどうでしたか? 無理やり濃度変換テンプレートを当てはめようとしませんでしたか?

この濃度変換の解法は超万能で最強なんですが、この解法を学ぶと希釈の問題に対しても変換のノウハウを使おうとしてしまうんですよ

 

モル濃度、パーセント濃度、密度、こういう語句が出てきただけで、無理やり濃度変換をしようとしてしまうのですが、これは引っ掛けです。

 

これ、本当に多いパターンです。なので、この記事では濃度変換テンプレートが使える濃度変換の問題と、ただの希釈の問題とを見分けるための方法をご紹介します。

モル濃度の問題の2パターン「希釈」と「濃度変換」を図を書いて簡単に見分ける方法

「希釈」と「濃度変換」の見分け方

図を書いて溶液そのものが変化するのが「希釈」、溶液自体は変わらないのが「濃度変換」

濃度変換テンプレートを使える場合か使えない場合かを確認するためには、図を描けばいいだけなんですよ。

濃度変換問題を図にすると、

濃度変換のイメージ

このように、問題文を図にしても溶液は1つしか登場しないんですよ。なんでかっていうと、濃度変換って、mol/Lとしてみるか%としてみるかの視点を変えているだけで、別に溶液自体に何か手を加えている訳ではないんです。

 

なので、変化しないため図を1つしか書かない場合は濃度変換だと思ってください。

 

一方希釈は、

希釈は水を加えますので、変化前後で溶液自体の図が変わっているんですよ。なので、図を2つ描く場合は希釈だと思ってください。

重要ポイント
  • 濃度変換は、溶液自体が変化している訳ではなく溶液の見方が変わるだけ
  • 希釈は溶液自体が変化する。

てな訳で先ほどの演習問題の解法をみていきましょう。

例題

市販の濃硫酸は質量パーセント濃度96%、密度1.84g/cm3である。水で薄めて6.0mol/Lの希硫酸500mLを作りたい。何mLの濃硫酸が必要か。

この問題を図に表すとこうなります。

図が2枚だから希釈がメインの問題

つまり、溶質の量(質量かモル)が不変である事を式にする方針が立てられますね。

今回は質量のほうが良さそうです。なぜなら、希釈前のmolを求めようとすると「濃度変換」をして%濃度からmol濃度にしなければならなくなります。なんとなく面倒です。

 

なので、希釈前と希釈後の溶質の質量を求めて等式を作ります。求めたいのは、希釈前の溶液の体積なのでvmLと置きます。

希釈前の溶質を求める

そして、希釈後の溶質の質量を求めます。

溶質の質量希釈後

この様になります。なので、これを等式で繋ぐとvが出てきます。

v=166mLとなります。

PR:濃度計算マスタークラブ

こうやって濃度計算を解くんですが、とは言ってもやはりいきなり問題集を解いてもこの解法で解説されているわけではありません。なので、濃度計算に特化した講座を作成いたしました。

 

濃度計算は、あまりにも重要です。というのも、酸塩基や酸化還元の問題の途中で濃度計算が出題されるからです。できて当然として出題されるものの、途中の濃度計算でこけて残り間違った数字で試験を解いて全滅するっていう人が続出します。

 

化学で大問1つを落としてしまうと、もう他で挽回できる可能性はかなり薄くなってしまいます。なので、濃度計算はどんなことがあっても一瞬で正確にできるようにしておく必要があります。

 

例えば、今回の記事では濃度計算では「質量パーセント濃度mol/kg」と「%濃度」などの計算問題は一切取り上げていません。このようなわかりにくい濃度計算もこちらの講座では、バッチリ解説しています。

 

動画講義も豊富なので、文字にできないようなことも口で解説しています。

まとめ

濃度計算は、大学入試の中でも非常に重要な分野です。酸塩基や酸化還元、化学平衡の分野でも小問で出題されます。これができないと、全てドミノだおしで間違ってしまうので、必ずできるようにしてください。

 

このほかの計算テクニックもメルマガで解説しまくっています。メルマガ内では動画講義付きで解説していますので、ぜひ読んでみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

受験化学コーチわたなべ

浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。