化学反応式と熱化学方程式の3つの違い!この違いの理由も解説!

熱化学方程式と化学反応式の違い

センター試験では頻出を通り越して必出の熱化学方程式に関する問題についです。

これは慣れちゃったらなんてことは無く、ほとんど難しい概念もないし、

 

俺は模試や入試に出て来たら、ドラフトで高山を引いたと思って、間違ってやった真中監督なみにガッツポーズします!笑

引用:http://www.nikkansports.com/baseball/news/1556264

(分かる人だけ分かれば良い、、)

 

なので確実にマスターしたい分野です。

今日はそのための基礎的な
ところである、
化学反応式と熱化学方程式の違い
について解説していきたいと思います。

 

これが分かっていないと
問題を解く以前の問題になります。

 

 

しかもなぜこの違いがおこるか?

という理由についても分かっているのと

いないのとでは、定着もちがいます。

 

なので、きっちり覚えていきましょう!

目次

反応式の意味するもの

化学反応式

反応前後の『粒子』(原子・分子・イオン)の関係を表します。

 

だから反応前後の物質は、全くの別物が生成するので、反応式の右の左を「」でつなぎます!

(=じゃないと言う事が大事なんです!)

熱化学方程式

反応前後の”熱量”の関係を表します。

 

熱量って言うのは数値ですよね!

 

つまり左辺と右辺で同じ数字なので、「」でつなぐことが出来るのです。

3+2が4+1になろうとも、=で繋げますよね!それと同じです!

反応式の係数の表しているものの違い

化学反応式

化学反応式の場合は、突き詰めると何個?って事なんです。

だって、思い出してください!

化学反応式でモルの比を求めたりしますよね。モルって結局『個数』なんですよね。

 

でも、化学反応式って言うのは、分子1個の反応でさえも表せてしまうんです。

 

原子も分子もイオンも、『』で数えますよね!ってことは、1/2とか0.5とかダメですよね。

 

水素分子1個と酸素分子0.5個で水が出来ますか?

無理ですよね?

水素分子2個と酸素分子1個必要ですよね!

 

なので、化学反応式の係数は分数・小数は不可となります。

熱化学方程式

熱化学方程式の係数というのは、『モル比』を表します。

 

「モルだろうと、個数じゃねえか!」

というコメントを貰いましたが、熱化学方程式の場合は反応物の1つが1molである事が担保されています

 

例えば、水の生成熱Qをあらわす熱化学方程式だった場合、

H2+1/2O2=H2O+QkJ

ですが、このうちH2Oが1molであるため、1/2O2が0.5個とかを表す事があり得ません!

 

なので、熱化学方程式の係数は『モル』を表すため分数、小数で表すことも可能です!

物質の三体

化学反応式

特に表す必要がありません。

熱化学方程式

 

物質の三体によって、エネルギーが異なります。気体>液体>固体 の順番でエネルギー図の位置が高くなります。

 

気体の水の生成熱と液体の水の生成熱では熱量が異なります。

熱化学方程式の係数の意味

だから、熱化学方程式においては、固体なのか?液体なのか?気体なのか?って言うのがめっちゃ重要になってきます!

固体(solid)なら(s)
液体(liquid)なら(l)
気体(gas)なら(g)

というように示すことも出来ます!

 

でもここで疑問に思うと思います。

いつの状態かけばええねん!

 

はい、これにお答えしていきます。

 

 

まず問題文に温度や圧力を指定されている
ならそのときの状態を書いてください。

 

 

何も書いていないときは、
1013hPa、25℃
の状態を書いてください。

 

これを

熱化学の標準状態』と

言います。

例を出してみよう

水の生成反応と言う簡単な熱化学方程式で

これらの違いを確かめてみましょう!

化学反応式

2H2+O2→2H2O

のように、

 

係数が分数にならないように、作ります。

熱化学方程式

水の熱化学方程式

熱化学の標準状態では水素、酸素は気体なので(g)or(気)と表し、水は液体なので(l)or(液)で表します。

 

 

いかがでしたか?

まあかなり基礎的なことで
色々な教科書にも書いてありますが、

理由までは書いてなかったのでは
無いでしょうか?

「あ、なるほど、粒子数だから、分数に
ならないんだ!」

「なるほど、熱量は数字だから
同じ物だから=で結んでいいんだ!」

と少しでも頭がすっきりすれば
本望ですね!

そして実際にこの熱化学方程式を
解くにあたっては
エネルギー図』を使います。

 

このエネルギー図には
かなり体系的な書き方が
必要になってきます。

その書き方については
「ヘスの法則で熱化学方程式を解く超体系的エネルギー図法!」に書きました。

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10 件のコメント

  • より:

    「反応式の係数の表すもの」の「熱化学方程式」の方で「係数は物質量を表すので分数、少数で表すことが可能」とありますが、係数が表すのは熱量(エネルギー)の関係を表しているのではないでしょうか。物質量は個数のことなので(アボガドロ定数よりも大きな数では)分割不可(すなわち係数にアボガドロ定数で割った時よりも小さな値となるような分数や少数をつけることができない)ですが、エネルギーは連続的な値を取り分割できるので係数に分数や少数をつけていいのかと思います。

    • 受験化学コーチなかむら より:

      係数がエネルギーを表すわけではないと思います。

      • より:

        係数自体はエネルギーではないですね。私の書き方が悪かったです。すみません。
        申し上げたいのは、物質量はあくまで個数であって、熱力学方程式の係数は物質量(個数)の量的関係ではなく、熱量(エネルギー)の量的関係を表すものだということです。

        • 受験化学コーチなかむら より:

          まあ確かにそうなんですが、
          例えば、水素分子と酸素分子の反応で、
          2個の水素分子と1個の酸素分子の反応であっても化学反応式は表す事が出来ますよね。
          これでも2H2+O2→2H2O
          です。
          だから、1/2は無理なんです。この反応を表せないから。

          でも、熱化学方程式は、1mol存在すると言う事が担保されています。
          だから分数がオッケーです。

          • より:

            納得しました!ありがとうございます!

        • より:

          記事の更新に気づきませんでした。
          すみません。

  • 名無しのよっさん より:

    「少数」ではなくて「小数」です。

    • 受験化学コーチなかむら より:

      スンマヘン

  • 匿名 より:

    最後のリンクのページがなくなっているのですが、どこに体系化された書き方がのっていますか?

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    ABOUTこの記事をかいた人

    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。