こんにちは。
今日は、反応速度について受験に必要なところを公開します!
この反応速度は日常の疑問にめっちゃ答えてくれる興味深い分野です。
自然界はとにかくエネルギーが低い状態が安定。これは熱化学方程式の所でも書いたと思います。
でもね、だからと言って、それだけで反応が進むわけではないんですよ。エネルギー図を書いて、反応後がエネルギー的に下にあったら全ての反応が起こっていたらこの世界は大変なことになります。
例えば、普通に街を歩いていたら木が植えてありますよね。そして、空気中には酸素がありますよね。てことは、
C+O2→CO2
という燃焼反応がありとあらゆる場所で起こりまくっていた場合どうでしょう?

街中が火の海になってるはず、、、、
でも、世界はそういう風にはなっていない。エネルギー図的に見たら街中火事だらけにあっていてもおかしくないのに案外起こらないですよね。
その理由なんかも今日の記事でわかります。そして、超実践的に反応速度に関する問題の解放についても触れていこうと思いますので、最後まで必ず読んでくださいね!
目次
反応速度とは?
それではまず入試に必要な反応速度の
知識を付けていこう。
単位時間辺りの反応物、
生成物の変化量を反応速度と言う。
うん、こんな感じにしか言えないよね。
こんなグラフをだされて微分を説明
されたでしょ。
Δx→0のとき
わーい微分だーって言ったはず。
これと同じ。
このグラフのy=反応物の量または生成物の量
だと思ってくれ。
そして横軸が時間だと思えばいい。
Aという物質だったとすると、
反応速度は縦軸を濃度、
横軸を時間としたときの、傾きになります。

じゃあどうやって反応速度を求めるか?
って言うと、
反応速度式と言う物があって、
(あとで取り上げます。)
v=k[A]ってな感じで表される。
これと先ほどの微分の式、

この反応速度と等号でつないじゃえばいい。

「あらすてき!微分方程式だわ!」
高校生のみなさん微分方程式解ける?
解けないよね。
(京大は数学の入試問題に微分方程式出して来ちゃうキチガイだから練習しといてね)
京大受けるやべえ高校生以外、解けないわけ。
(まあこの微分方程式めっちゃ簡単やから解けてもいいけど)
実際↓の微分方程式の解法は覚えておいてほしい。

これは時々
『半減期を求める問題』で出る。
でも微分方程式は必修ではないし、
微分方程式が分からないと
濃度計算が出来ないので、
微分形式では反応速度は“あまり”出題されない。(出題される事もある)
大学入試では2点間の平均速度で代用する問題が主に出題される。
2点間の平均速度は、平均濃度に置ける速度(平均はついていない)と考える事になります。

上図において平均速度の傾きと同じ平行線を接戦として引くと2点間の真ん中で接します(近似)。
(これが超厳密かというと、そういうわけではありません。厳密にしようとしたらこのグラフを微分しなければなりません。僕の予想では、新課程になるときに微分で求める問題が出題されるかな〜と思ったんですが、変わらなかったのでこのままこの方法を使うのでしょう)
すると、2点間の平均速度は、平均濃度時の速度である!
活性化エネルギーの説明はここ
反応速度を変える条件
そもそもですよ、化学反応というのは、どうやって起きるかっていうと「衝突」なんですよ。
反応速度を変える仕組み
反応の仕組み
反応の仕組みは分子と分子が衝突することで起こります。衝突して
タックル合戦。

このように分子同士が、タックルし合って活性化状態を経て生成物に至ることが反応のしくみ。
①反応の粒子が衝突する
↓
②エネルギーの高い不安定な状態(活性化状態)をへて生成物に至る。
なので反応速度は次の3つの要素が関わっているのです。
②運動エネルギー
③活性化エネルギー
この3つです。
なので、この3つをいかに操作するかが重要なんです。
反応速度を変える方法
①衝突回数
(1)反応物の濃度・分圧(気体反応では分圧が濃度に比例する)を高くする。
なんでこうなるかって言うと、濃度を上げるとどうなるか?
こんな感じで濃度を上げると、せまくて衝突する回数が多くなる!
鳥取県の鳥取砂丘でひととぶつかる事は無いけど、渋谷のスクランブル交差点ならめちゃくちゃ人とぶつかるでしょ!それと一緒!
狭い場所にたくさんの人が集まれば、ぶつかりやすくなります。
じゃあ分圧を上げるとどうなる?
分圧を上げると、
押す力が大きくなり体積が小さくなる。
式的に理解したい人は、
n,T一定のとき、状態方程式は、
PV=nRT=k(一定)
となって、
ボイルの法則より、
PV=P’V’
V’=P/P’ ×V
P’>Pより
P/P'<1だから、
体積がVより小さくなる。
これによって、図のように
衝突回数が多くなる。
いくら鳥取県民が少なかろうと、鳥取県民全員を、宮古島とかに入れたらそりゃぶつかる回数増えるでしょってこと。
(2)固体物質なら粉末にする

こうすると、中身で反応しない分ロスになる。
だから、この中身を外側にするためには、、、
『ぶっ壊して粉々にしてやる!』
反応速度がババ上がりなのわかりますか?メチャクチャ表面積が大きくなって反応しない無駄なスペースが無くなるわけですよ。
②運動エネルギー
温度を高くする
温度を上げると、熱運動が大きくなる。すると、大きな運動エネルギーを持つ分子が増える。
すると、
まず衝突する回数も多くなる。
また、活性化エネルギーを超える分子も増えてくる。
この縦軸が分子の割合(分子の数)
だという事に注意してほしい。
活性化エネルギーを超えている分子の数が、温度が小さいときより大きいときの方が多いのだ!
活性化エネルギーより大きい運動エネルギーを持つ分子数が増えてくるので、単位時間辺りの生成物の粒子数が増加する。
よって反応速度は増加する!
そしてこの図はメチャクチャ大事で、ボルツマン分布を頭に入れておくと、『記述問題』とかでもめちゃくちゃ使えるます。
活性化エネルギー
活性化状態にある為に
必要なエネルギーを
活性化エネルギーって言う!

この図の
Eaが正反応の活性エネルギー
Ebが負反応の活性エネルギー
と言えます。
そしてこの活性化エネルギーを
超えないと反応が起こらないのです。
だから冒頭で、なんでそこら中の木とか紙が燃えないのかって言う疑問が解消されるんです。

炭素の燃焼反応は、活性化エネルギーが上がりきらないのでなかなか燃えないわけです。燃えられても困るけど。
反応速度を上げる方法
入試問題でも出ますし、定期テストにもよく出るのがこれ、反応速度を上げる方法。
記述でも聞かれることなので、これは覚えて欲しいし、そういえば、本質は衝突させることだったな〜てことは、どういう操作をすればよかったか考えればいいんですよ。
正触媒を加える
特定の反応だけめっちゃ起こるようにする物を触媒って言う!って中学校のとき習ったはず。
この触媒は、反応の前後で変化しないと呪文のようにならってたよね。
でも反応速度でいう、触媒の役割ってキッチリ分かっていないといけない。
その役割とは?

もはや反則技!
活性化エネルギーを下げちゃう。
「私超えられないから、ハードル下げて!」
ていう感じ。反則やん!笑
活性化エネルギーを下げると、単位時間辺りに反応できる粒子数を増加させて、反応速度を上げる事が出来る。
反応速度の問題は反応速度式がでる!!
それでは一番聴きたかった、反応速度の分野で一番出題される問題を考えていきましょう。
反応速度で一番出題されるのが「反応速度式を書け!」です。ほとんどの問題では、この問題のために誘導がついています。
でも、次の方針さえ覚えていれば、別に誘導がなくても問題を解けますし、周りの奴らが、ただただ小問を解いて理解できていない中、あなただけは
「この小問はどうせ、〇〇を書かせるためなんでしょ!」とわかりきった感じで解けます。
その方針とは、「平均濃度ー平均速度のグラフを書く」ということです。反応速度の問題で反応速度式を求めさせる問題のほとんどは、実験データが与えられます。
そのデータから平均濃度と平均速度を求めるのです。そしてそれでグラフを書くことで、反応速度式の次数がわかるのです。
これは先ほど示した反応速度を変える要因を表したもので、反応速度式といいます。
aA+bB→cCと言う反応ならv=k[A]x[B]yと記す。AとBの濃度が高くなると、そのx,y乗だけ反応速度は増加する。
このkがよくわからないと思うけど、これはその反応によって固有の『定数』だと思っておいて。
反応に関して固有の値です。これはアレニウスによって解明された定数で、こんな感じ。
A:温度に無関係な定数(度数因子)
E:活性化エネルギー
R:気体定数
T:温度
アレニウスの式から分かるのは、温度が上がる、触媒によって活性化エネルギーが下がるにつれて、
おおよそ10K上がると、反応速度係数kは2~3倍上がる。
反応速度式の濃度の何乗?
はい、ここで反応速度式が濃度の何乗に比例するのか?
と言うのを決める必要がある。そしてこの決め方が、実は技がある。
これを知らないとやばい多くの人がこれを1乗に比例すると決め込んで解いている。
でも実際京都府立医科大では、2乗の問題が出た。何乗がでてもおかしくない問題なので、この方法で解いてほしい反応速度が反応物質の濃度の何乗に比例するかは反応経路によって変わるので、実験で求めるしか無いんですよ!
だから、
こういうグラフを書く。問題にデータが与えられるが、そのデータから、
縦軸に平均反応速度、横軸に平均濃度を記してそのグラフの概形から係数を知る。
今回のグラフだと、1次式なのでv=k[A]1 Aの1次反応と言います。ちなみに、このグラフの傾きが反応速度式のkです。
よく
2HI⇆H2+I2
の反応速度を
v=k[HI]2
v=k[H2][I2]
と表されるから、反応式の係数が反応速度の次数なんじゃねえの?って思う人がいます。
確かに、
そして、僕らが反応に中間体があるかどうかなんて絶対にわからないんですよ。
受験生で判断できることではないんですよね。
つまり、グラフを書いて実験しないとその反応速度式の次数はわからないというわけなんです。てことは、毎回グラフを書かないと何が起こるかわからないよ!
ってことです。
つまりv=k[A]2になったことも実際にありますからね!このグラフを書いて1次反応かをしっかり確かめなかった人はこのとき死んだでしょう。
ちゃんとグラフを書いた人は、「このグラフ2次関数やないかい!」って気づけたでしょう。
でもなんとか最後の問題なんだ、、、とピンチの時は1次式にしておけば
いいでしょう。あんまり2次式は出ません。
受験テクニック「平均反応速度と平均濃度のグラフを作る」を活用して、あなたもバンバン入試問題解いていきましょう!
半減期の解法を教えてください。お願いします。
微分方程式を解いて、濃度が1/nになるまでの時間は初期濃度に関係ないという事は分かりました。
こちらになります。
上図において平均速度の傾きと同じ平行線を接戦として引くと2点間の真ん中で接する。すると、2点間の平均速度は、平均濃度時の速度である!
の部分が本当にそうなるのかがイマイチわからないです。教えていただけたら嬉しいです。
もちろん、厳密にいうと微分しないといけません。
反応速度定数は
温度と触媒によって変化するが
物質の濃度によっては変化しない
と参考書に書いてあったんですが、なんでですか?
反応濃度のデータが一切かいてないやつは一乗として考えればいいんですか?
実験データでしか求められないです。