こんにちは。
今回はこのブログで紹介しているエネルギー図の解法に関する質問、例外をまとめた記事にしていこうと思います。
エネルギー図に関する記事はこちらです。
なので今回いままでこの熱化学方程式の解法に関するいただいた様々な質問に加えて、一応この記事にも書いた事ですがもう一度まとめておきます。
目次
中和熱
こちらが質問。
こんにちは、先日レポートを見てとても感動しました!こんな考え方があるんだなと思いました!その中で少し疑問に思った事があるのですが、題名の通り、熱化学方程式の項で水和熱とは出ているのですが、中和熱などについては触れられていませんでした。中和熱に対してはどの様にして対処すればいいのですか?
なかむらの回答
下向きの矢印です。中和反応はH+とOH–がくっつく反応です。なのでくっつくから下向き矢印◯◯熱下向き矢印です。
化合物から化合物の準位になります。
化合物1———
↓
化合物2———
みたいな感じに書きます。化合物同士に準位の差ができます。
でも◯◯熱は下向き矢印、熱量は右辺の法則がありますのでまた中和熱は熱量が56.5kJ/molですのでこれは、センターで一発で切れますので覚えておいてください。
なぜ中和熱が一定か?というと、全ての中和反応はH++OH–→H2Oの反応が起るからです。
○○熱なのに与えられている値が負なんですか、、、、
これはよくあります。溶解熱などは、本来●という原子と水がくっつき●+aqという風にくっつく反応です。
エネルギー図の上から数えると水和状態は一番したなので本来『発熱反応』である必要があります。でも、こういう質問が来ました。
溶解熱
化合物と化合物の結合(?)の数だけ化合物の線を書けばいいのですね!また質問なのですが、求めたい熱量の方程式の係数が1では無いときはどの様に図で表したりすればいいのですか?また、溶解熱は符号が負なのですがそれは矢印を下に書いといて−だと見なしておけばいいのですか?
なかむらの回答
溶解という事象は非常に難しくて溶解熱は、中和熱、水和熱も含まれています。なので負になったりすることもあります。また大学に行かないと説明がつかない『化学ポテンシャル』に関しても知識が必要なのです。なので、このブログで解説できません。
なので、下向き矢印、熱量右辺と言う扱いでまず扱います。
水和熱の例として
Na+(g)+aq=Na+aq+404kJ
があげられますが、もし溶解熱が負だった場合、
普通に○○熱だから右辺に熱量を使う!と言うなかむら化学塾流の解法を使います。
そしてたまたまこの熱量が負だった!と言うだけのことです。この例で言うともしナトリウムイオンの水和熱が-404kJだったとしたら、
Na+(g)+aq=Na+aq-404kJ
とするだけでいいのです。
まあこういう感じで、状態変化じゃない○○熱が負だった場合も色々な要因である。おそらく高校化学では説明がつかない。
だから慌てずに、いつも通りやる事をやる。気にせず、ただただ負になっているだけだから。
生成熱の反応
溶解熱と同じだけど質問が来たのでこれにも回答する。
エネルギー図について、生成熱はマイナスにもなりうるという話を聞いたのですがなかむらさんが提示した手法にどう取り込んでいけばいいのか教えてほしいです。また、反応を起こしている物質をどの様に整理すればいいでしょうか。
これも先ほどの溶解熱と同じようにあつかう。普通に○○熱だから下向き矢印を書く、熱化学方程式は右辺に熱量を書く。それがたまたま負なだけ、
エネルギー図もいつも通りに書く。そして計算のときはQ=300-(生成熱)=300-(-115)=415kJとなる。
こういう風に○○熱が、状態変化じゃなかった場合は、気にしない。普通にアツかってあげる。
彼女がちょっと機嫌が悪くても男は凛とした態度で、挑む。いつも通り接する。そういうこと。
状態変化に関する○○熱
状態変化には○○熱でもバラバラになる方向に反応が進む物がある。例えば、蒸発熱など、これは水が気体になってバラバラになる様子。
このように『バラバラになるもの』は○○熱ではなく、○○エネルギー扱いをする
このように『状態変化に関する○○熱』はその反応が『○○熱』なのか『○○エネルギー』なのかを考えなければならない。
例えば、凝固熱や凝縮熱
このようにくっつく方向へ進む青で囲まれている状態変化の○○熱は、いつも通り○○熱として用いれば良い。
その逆に赤で囲まれている状態変化の○○熱は、○○熱と言う形をしていながらも、結局バラバラになっているから○○エネルギー扱いをしてくれればよい。
電子親和力はどう扱うべし?
質問が1つあるのですが、
『合法カンニングペーパー』の4章にエネルギー図の解法がありましたが、
電子親和力の扱いはどのようにすればいいですか?
よろしくお願いします。
画像付きの質問。
そうやね!
俺の熱化学の解法法則で考えると、
電子親和力は例外になってしまう
じゃあ解けないのか?というと
そんなわけない!
電子親和力は、
この図のように、
単体の原子(Cl)1molと電子が『くっついて』
陰イオンになることで放出される
熱量!
『くっつく』ということは、
熱化学方程式は『右辺』で、
エネルギー図の矢印は『下向き』
ととらえればいい。
ということは、
電子親和力は、
『○○熱』として扱えば良い!
まあこの混乱は、
英語の『electron affinity』
の日本語翻訳ミスだと思う。
あなたは、
『電子親和熱』
と覚えればオッケー!
○○熱まとめ
状態変化に関する○○熱は○○エネルギー扱いをする。
それ以外の○○熱は熱量が負であろうと、関係なく○○熱扱いをする。
熱化学方程式を書け!って言う指示があれば、○○熱として扱い、符号だけ操作する。
エネルギー図を書く場合は、下向き矢印に負の熱量を扱っておけばいい!
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
体系的に理解できた気がして嬉しいです
ありがとうございます
質問なんですが係数はどう考えればよいのですか?
係数に関しては、酸素は気にしなくて良いです。
他は係数をきっちり合わせましょう。
C2H5OHの燃焼ならば、きっちり2CO2と係数を合わせる必要が在ります。
質問失礼します。
さっそくですが、
イオンと原子はどっちの方が安定なのか。という疑問についてです。
エネルギーが大きいほど安定、小さいほど不安定という考えた方でいくと、
イオン化エネルギーをエネルギー図で表すと、矢印は上になり、原子が安定で、イオンになる方が不安定ということなりますよね?
また、電子親和力をエネルギー図で表すと、矢印は下向きになり、原子は不安定でイオンになる方が不安定ということになりますよね?
結局原子とイオンはどっちの方が安定なのでしょうか?
エネルギーで考えるのと電子配置などで考えると混乱してきました。
もう1つの疑問はエネルギー図の大原則としては
エネルギーが大きいほどバラバラなのか、
エネルギーが大きいほど不安定なのか、
それともその両方のバラバラで不安定なのか。
また
エネルギーが小さいほど、結合?かたまってる?のか、
エネルギーが小さいほど、安定なのか、
それとも両方のかたまっていて、安定なのか?
ということです。
長くなってしまいましたが、すみませんがどうかよろしくお願いいたします。
いえ、エネルギーが大きいほうが不安定です。
それの両方です。
状態変化における○○熱のときは、何から何までと考えるんですか?
気体、液体、固体です。
液体→固体 (凝固熱)
と言う感じです。
いや、エネルギー図においてです
そうです。
エネルギー図でも気体の方が上です。
すみません、質問です。
‘矢印の向き’がそもそも分かりません。
質問の意図が伝わるか分からないですが、エネルギー準位に従って原子や化合物を図に置きますよね、あとは高さがイコールで繋げれば問題ないと思うのですが、矢印の向きにどんな役割があるのですか?渡辺さんの重問の解説も見させていただいたのですが結局足してましたし(結合エネルギーの問題)…
下向きで書くべき物を上向きに書くと足し算になってしまいます。
上向きで書くべきものを下向きに書くと引き算になってしまいます。
ありがとうございます。
なかむらさんの重問の結合エネルギーの解説の動画7:30前後でQが単体から化合物に下向きにでてますが、仮に化合物から上向きに単体にQとしても結局式は同じになりませんか?
やり方を統一したほうが楽ですよね。
このような時どうすればいですか?
全文載せます…、
二酸化炭素(気体)、水(液体)およびメタン(気体)の生成熱をそれぞれ393kJ/mol、284kJ/mol、75kJ/molとする。水の蒸発熱は45kJ/molであり、またそれぞれの気体の結合をばらばらの原子にする時の変化は次のように表される。
CO2(気体)=C(気体)+2O(気体)-1605kJ
H2O(気体)=2H(気体)+O(気体)-928kJ
CH4(気体)=C(気体)+4H(気体)-1655kJ
C(黒鉛)からC(気体)への変化に伴って吸収する熱量は何kJ/molか。