【コロイド】チンダル現象はなぜ起こる? 名前の由来は? 日常生活での例もわかりやすく徹底解説!

チンダル現象

どうも、化学受験コーチわたなべです。

しょうご
コロイドのところで出てくる「チンダル現象」って一体何? カタカナの名前って分かりづれー!
受験化学コーチわたなべ
チンダル現象は「コロイド溶液中を進む光の道筋が見える」現象だぜ!
しょうご
説明聞いてもいまいち分かんねー! そもそも「ちんだる」って何やねん!

コロイド溶液に関連した用語にはチンダル現象をはじめ、ブラウン運動・ゲル・ゾル・キセロゲル・ミセル・エマルション・サスペンションなどたくさんのカタカナ語があり受験生を混乱させています。

これらのややこしい語句をしっかり区別して覚えるための秘訣は「① その言葉の意味や由来を調べること」と「② 語呂などを使って印象づけること」です。

この記事ではこの中でも特に受験に頻出である「チンダル現象」について徹底解説し、その意味を長期記憶にバシッと叩き込みます!

 

チンダル現象以外のコロイドの性質についても詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んで見てください!

 

コロイドとは

コロイド溶液

そもそも「コロイド」って一体なんなのでしょう?

コロイドの語源は、ギリシャ語で「膠(にかわ)」を意味する「kolla(コラ)」という言葉。膠は動物の骨や皮を煮詰めて作ったゼラチン状の物質で、接着剤などに使われます。

膠の特徴は食塩水や砂糖水のような通常の水溶液(真の溶液といいます)よりも、溶質の粒子がはるかに大きいこと。そのため溶液は濁りを持ちます。しかし絶妙なサイズなので、粒子は沈殿はせず溶媒中に均一に分散するのです。

これは膠に限ったことではなく、溶質の粒子サイズが1.0×10-9〜5.0×10-7mの溶液に共通の性質。そのため膠を意味する「コラ」に、「〜っぽい」を意味する「オイド」を付けて、「コロイド」という総称が生まれました。

直訳すると「膠っぽいもの」ということですね。(実際、コロイドの和名は「膠質(こうしつ)」です。)

このコロイド溶液、真の溶液にはない様々な性質を持ちます。その一つが今回のテーマである「チンダル現象」なのですが…。一体どのような現象なのでしょうか!?

 

チンダル現象とは

木漏れ日

チンダル現象は冒頭でも説明した通り「光の通り道が見える」現象です。

「光の通り道なんていつでも普通に見えるじゃん」と思ったあなた! それは本当でしょうか!?

光の通り道が見えた状況を思い浮かべてください。

部屋の中で窓から差し込む光の道筋が見えたり、雲の切れ間から光の筋が降り注ぐのが見えたり、コンサートでレーザー光のビームが見えたり…。

これらの光はすべて「ほこりや水の粒子が漂っている空気中」で見えたものですよね? そうです、こういう空気も「エアロゾル」というコロイドなのです。

もしチリ一つない完璧にクリーンな空気中だったら、光の道筋は見えないはずです。

これは溶液でも同じこと。コロイド粒子を含んだ溶液に光を当てると、その道筋が輝いて見えます。

しかし粒子の小さい真の溶液では、この現象は起きません。

 

チンダル現象はなぜ起こる?

チンダル現象1

では一体どうして光の道筋が見えるのでしょう?

コロイド粒子のサイズは、可視光の波長と同程度です。そのため、光が粒子にぶつかり散乱されます。

例えるなら、ドッジボールの相手チームが全員「象」みたいな感じ。ボール、めっちゃ当たりますよね?

一方、真の溶液は粒子のサイズが光の波長よりもはるかに小さいので、光は粒子をすり抜けて進みます。

例えるなら、ドッジボールの相手チームが全員「蚊」みたいな感じ。ボール、ぜったい当たりませんよね?

イメージ湧きました?

チンダル現象2

このチンダル現象、コロイド溶液と真の溶液を見分けるのに使われます。試験によく出るのは、水酸化鉄(III)のコロイド溶液。

名前だけ聞くとイオン化して水に溶けそうですが、水酸化鉄(III) は水に不溶。しかし塩化鉄(III)を沸騰水に入れる方法で作ると、コロイド溶液になるのです。

濃度が低いと濁りによって真の溶液と区別するのは困難ですが、レーザー光をあてるとチンダル現象が起きます。

 

チンダル現象の発見者

ジョン・ティンダル(チンダル)

チンダル現象を発見したのは、イギリス人科学者のジョン・ティンダル(John Tyndall)。

そうです!彼の名前をとって命名されたのが「チンダル現象」なのです。

発音的には「ティンダル現象」というのが、正しいと思うのですが… 昔の日本人には難しかったんでしょうね。(今も「ディズニー」のことを「デズニー」って言うオッサンいますもんね。)

「チンダル現象」も「ブラウン運動」も発見者の名前から命名されているので、言葉の意味から内容を推察することができません。

そこで、ここは語呂を使いましょう。チンダルは光に関係しており、ブラウンは運動に関係していることが一発で覚えられます。

たぬき

チン光、ブラ運

大きな声で10回叫べば、もう絶対に忘れません!

 

日常生活におけるチンダル現象

私たちの日常生活の中でも、チンダル現象を観察することは出来ます。

ぜひ体感してみてください!

 

牛乳

チンダル現象 牛乳

牛乳はもっとも身近なコロイド溶液のひとつです。

しかしそのままでは濃すぎるので、コップの水にほんの数滴たらします。

これにレーザー光(なければ画鋲で穴をあけたアルミ箔をかぶせた懐中電灯)をあてると、光の道筋がはっきり見えます。

 

ほこり

ほこり チンダル現象

部屋の中にほこりが舞っていると、窓から差し込む光の道筋がよく見えます。

これも立派なチンダル現象。ほこりの粒子はコロイドサイズなのです。

この状態の部屋の空気は「エアロゾル」と言われる状態なのですが、部屋の空気がきれいすぎる場合は座布団をバシバシ叩くかお香を焚くといいでしょう。

 

レーザー

コンサート レーザー

この現象を効果的に利用しているのが、コンサートなどで使われるレーザー光線です。

光の道筋をはっきりとみせるため、舞台袖には大抵スモークマシンが設置してあります。

煙の粒子もコロイドサイズなので、チンダル現象がよく見えるようになるのです。

 

天使の梯子(薄明光線)

天使の梯子

自然界で起こる有名なチンダル現象が薄明光線、別名「天使の梯子」。

雲の切れ間から差し込む光が空気中にあるコロイドサイズの微粒子によって散乱され、空から地上に向かってまっすぐ伸びる光の筋が見えるのです。

聖書の中に「天使が光の梯子を通って地上に降りてくる」という記述があることから、天使の梯子と呼ばれるようになりました。

 

まとめ

チンダル現象の重要なポイントをおさらいしましょう!

  • チンダル現象とは、コロイドに光を当てるとその道筋が見える現象。
  • コロイド粒子は大きいので、光を散乱させる。
  • 名前の由来は発見者のジョン・ティンダル。
  • 日常生活では、コンサートのレーザー光線などとして活用されている。