そもそも論として圧力が何かわかりますか?
気体が押(圧)す力と書いて圧力なわけですが、時々こういう風に図を書かれることがありませんか?
このように、気体の圧力はPであると書かれていることがありますよね。
僕は、高校生の時、これを疑問に思っていました。
今回の記事ではこの疑問にお答えします。化学受験テクニック塾では、気体の教育に非常に力を入れておりまして、受験生から気体分野の教育に非常に高い評判を保っています。
最後まで読む価値はあります。
※サクッとコラムのような記事なので1分ほどで読みきれます。読んだら混合気体や気体の状態方程式を図を書いて解く方法にも挑戦してみてください。
目次
そもそも圧力ってなんだ?
原子、分子のような粒子は運動しています。すると、このようにガンガン運動エネルギーを壁にぶつけていきます。
このように、ガンガン衝突してこのような壁を押し返す力のことを圧力といいます。
圧力の「圧」は「おす」という意味があります。なので、
と書いて、圧力なのです。
では、冒頭の疑問に戻ります。どうして、
このように圧力を表されることがあるのでしょうか?
圧力なのに押されてない? その理由は?
よく、気体の圧力を気体の外に書かれることがあります。この理由は、ピストンなどの容器に気体を入れられている場合、外の圧力と内部の圧力が力のつりあいをしているからです。
つまり、
こうやって、気体がバシバシピストンを押す力は、外の圧力と同じになるのです。
外側の圧力と気体の内部の圧力はつりあい静止します。
ちなみにピストンの扱い方は案外難しいですよ。過去に質問された問題で面白かったので取り上げましたが、成蹊大学の問題です。
おそらく出題ミスなんですが、ピストンの扱い方を取り上げた”迷”問です。出題ミスですが学ぶことが多いので、正しいピストンの扱い方を勉強するにはいいかもしれません。
ここまでである程度圧力とはなんなのかミクロな粒子のレベルで理解してもらえたと思います。それでは、この理解をしたまま気体の法則に当てはめてみましょう。
気体の法則を粒子レベルの圧力の理解を当てはめてみる
ボイルの法則を圧力を主役にして理解する。
ボイルの法則は、n,T一定の時にPV=nRTで定数nRTをkとまとめてPV=kとなります。
これを圧力を主役にして解説していきます。
体積が小さいと壁との衝突回数が多くなります。一方、体積が大きくなると衝突回数が少なくなります。すると、圧力は小さくなるのです。
なので、圧力は体積に反比例するのです。
シャルルの法則を圧力を主役にして理解する
シャルルの法則は、温度が上がると体積が大きくなるというものです。
これは大丈夫ですか?
このようになります。
温度をあげると粒子の運動エネルギーが大きくなり、衝突回数が上がりピストンを押して体積が大きくなります。
では、圧力目線で考えていきましょう。
温度が大きくなると、運動エネルギーが大きくなって壁にぶつかる力が強くなります。
↓
ですが、その分体積が大きくなると、衝突回数が減ります。
↓
よって、結局圧力は同じになります。
温度がを大きくして運動エネルギーを大きくしても、体積が自由に大きくなれる場合は、圧力は変わらないのです。
入試でいうとピストンが固定されていない場合は、気体の圧力は変化しません。
なぜなら、先ほど言いました通り、ピストンは外の圧力とつりあいますので、ピストンの内部の圧力は外の圧力と同じになるまで体積が大きくなって調整されます。
このことは、化学よりも物理でよく出題されます。
まとめ
- 圧力は気体粒子が壁やピストンを圧(お)す力のこと
- ピストンは外の圧力と内部の圧力が等しくつり合う。
というわけで、圧力は粒子の運動で圧(お)す力だとわかってもらえたと思います。圧力を理解してからが気体のスタートです。
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