蒸発平衡の問題解説!蒸気圧の問題での状態図の使い方!

飽和蒸気圧の問題に関する問題です。

多くの高校生はこのような問題に出くわした時に、「何をしたら良いのかチンプンカンプン」になると思います。

この問題は難しいですが、計算テンプレートで学んだこと。

  • 図を書く
  • 分圧を使うのか?分体積を使うのか?の判断
  • 蒸気圧とはなんだっけ?

これらを思い出しながら落ち着いて解いてみてください。自分で考えることでスキルになります。頑張ってください。

水素100mL(45.8℃、1.00×105Pa)と酸素xmL(45.8℃、1.00×105)を混合してたえず一定圧力(1.00×105Pa)を混合して絶えず一定圧力(1.00×105Pa)を混合してたえず一定圧力(1.00×105Paを保ったピストン付きシリンダー内で反応させた。反応は水の生成する方向に完全に進行した物として、反応完結後45.8℃、1.00×105Paで気体の体積をVxmLとする。飽和蒸気圧は45.8℃で0.10×105Paである。xの値を3,50,80とした時の反応完結後の気体の体積V3、V50、V80を求めよ。なお水素や酸素の水への溶解は無視できるほど少なく、また気体は全て理想気体として扱える物とする。(有効数字3桁)
(1983年 金沢大)

この問題の方針

蒸気圧の問題は、もちろんですが、『気体の問題の一種』なので、図を書きます。

そして、水素、酸素、水蒸気など混合気体と言えます。

なので、『仮想分離』します。

仮想分離するときは、
分圧を使うか
分体積を使うか
という選択があります。

このときの決め方が、この問題の変化を図にして状態方程式PV=nRTで定数を殺していくことが重要でした。

図は後ほど書きますが、今回の問題はP,T一定(45.8℃・100kPa)でH2
燃焼させる問題である。

これより使える式はV=knなので、
モルに比例するのは、分体積

だから、今回の問題で使うのは、
分体積です!
量計算もモルを使うと非常に厄介なので、
必ず分体積を使いましょう!

またこの問題文に下線を引いたところが
ありますが、
これは、Paではなく、kPaを使いましょう!

1.0×105Pa=100kPaを使いますし、
気体定数Rは、
8.3×103Pa・L/(mol・K)=8.3kPa・L/(mol・K)
と言うように、可能な限り10n
減らしましょう!

①V3(V(O2)=3mL)

以前混合気体についての解説コンテンツで、
お伝えしましたが、分圧⇔分体積の変換が
必要な問題が難関大で出ますと
言いました。

 

今回もそのパターンを用います。
今回もちろん、分体積で計算しますが、

厄介な事に、
分圧』を知らないと蒸気圧曲線との
比較が出来ませんよね!

だから分体積から分圧に変換しなければならないことがあります。

混合気体 分圧、分体積変換
このような図は覚えていますね。

このように、P,T一定、V,T一定で混合気体を分けて、水同士を気体の法則で繋げます。

PV=nRTのうちn,Tが一定なのでRとまとめてPV=k(ボイルの法則)をつかいます

これより、100kPa×6mL=x×100mLこれより、x=6kPa

これを状態図に判定してもらいます。

飽和蒸気圧は10kPaなので、x=6kPaは余裕で全て気体になれます。

だから、6mLは全て気体になっていますので、V3=100mLと言えます。

解法を動画でまとめました

②V50(VO2=50mL)

③V80(VO2=80mL)

仮想的に気体にしたとしたときの
分圧が蒸気圧を超えて、
そして、気体になれる空間があるとき、
蒸気圧の分だけ気体になれる』のです。


どうでしたか、
おそらく苦手だった人ももう簡単だと
思えるのではないでしょうか?

この問題はメチャクチャ重要な
良問だったので、何度も解き直して下さい!

それではありがとうございました。