どうも受験化学コーチなかむらです。
反応速度に関する問題の解法を読むだけで身に付くようにしていきます!
本当の入試問題より、丁寧な設問にしています。
だからこの問題の流れを覚えれば、他の問題でも使えます!
どんな問題でもこの方法で解けます。
ではいつも通り、まず自力で解いてみてください!
濃度が1mol/Lの過酸化水素水溶液に酸化マンガン(IV)を加え、発生するガスから過酸化水素濃度の減少を測定する実験を行い、次の結果を得た。次の(1)~(7)の問いに答えよ。
表 過酸化水素の濃度変化
(1)過酸化水素水溶液の濃度変化の表から、時間0~100sおよび700~800sで平均濃度と反応速度を計算せよ。単位も記せ。
(2)反応速度式を書け
(3)水で反応容器を冷やして反応温度を下げた場合、濃度変化はどのようになるか。およその変化を予想して図に書き入れよ。
(4)過酸化水素の濃度を0.50mol/Lにした場合の濃度変化はどのようになるか。図に書き入れよ。
(2008年 長岡技術化学大 <改変>)
ポイント!
化学における反応速度ですが、
これは物理の速度とは少し違います。
反応速度は絶対値で考えます。
先ほど記したように、
0~100sec,100~200secと100秒五との
平均反応速度を求めます。
また、平均反応速度は『平均濃度における』
速度と考えます。
問1平均濃度
過酸化水素(H2O2)は下のように
H2OとO2に分解する。
この際、酸化マンガン(IV)(MnO2)は
活性化エネルギーを下げ反応速度を揚げる
触媒として働く!
2H2O2→2H2O+O2
先ほどの方針で言ったように、
0~100,100~200のようにどんどん
平均速度、平均濃度の両方を求めます。
これを表にすると以下のようになります。
問2反応速度式
方針!
この問題の解法には
『正式なもの』と『ヤマをはる』
バージョンがあります。
まずは正式なものからいきます!
反応速度式は
平均速度vと
平均濃度[H2O2]の
関係を表すものです。
だからv=k[A]n
という形になります。
そして、このnを求めて比例定数のkを
求めれば完成です。
まずnが決まらないと、kも決まりません。
だから、まずnを決めます。
ではどうやってnをきめるかというと、
普通にy軸にv、x軸に[A]のグラフを書けばいい
わけです。
グラフが直線なら1次関数だから
n=1、
グラフが曲線dあったら2次関数で、
n=2
と言う風に決めて行きます!
そしてもう1つの解き方『裏技』の方は、
とても簡単!
かなり雑な問題集や塾講師は、
これを本当の解法だと思っています。
そう決めつけるのは本当に怖くて、
以前京都府立医科大学で、
n=2のパターンが出た事があるので、
必ず自分でグラフを書いてほしいのですが、
どうしても時間が無いときもあるでしょう。
そういうときは、この『裏技』をつかって
いいです。
それは、
『だいたいの入試問題ではn=1として作られている』
とヤマをはって解く!
です。
これでほとんどの問題は差し支え
ありません。
正統派な解き方
この平均濃度と平均速度のグラフをプロットします。
これ見たら分かりますよね!
どう見ても1次式!
1次関数だからn=1と、決定できます!
∴v=k[H2O2]が反応速度式となる!
そしてここからkを求めればいい!
kは1次関数の比例定数ですので、
このグラフの『傾き』に当たるわけです。
1.0mol/Lでv=3.0×10-3になるので、
k=(3.0×10-3(mol/(L・sec))/1.0(mol/sec)
=3.0×10-3
このようにkを決められますので、
v=3.0×10-3[H2O2]mol/(L・sec)
となります。
ズルい方法!
n=1とヤマを張ります!
大体!これで行けます!
その後、
このようにkを決められますので、
v=3.0×10-3[H2O2]mol/(L・sec)
となります。
問3と問4の解法!
(3)氷で冷やし、反応速度を下げたグラフは?
(4)H2O2の初期濃度を1.0mo/Lから0.50mol/Lへ下げた場合の反応速度は?
氷で冷やし反応速度を下げた場合、
H2O2の初期濃度1.0mo/Lは
そのままで、ゆっくり反応するはずなので、
下の(3)のグラフになります。
→H2O2の初期濃度を1.0mol/Lから
0.50mol/Lへ下げた場合、
温度条件はけ内と考えられるので、
(2)でも止めた反応速度定数
k=3.0×10-3sec-1は変わらない!
→v=3.0×10-3[H2O2] の反応速度定数は変わらないまま、
[H2O2]の初期濃度が半分になって反応が続くと、本問のグラフの各濃度が
半分ずつになって反応が続くと、
本文のグラフの各濃度が半分ずつになった下の(4)
のグラフになる。
こんな感じです。
キッチリ反応速度式の次数(n)を決めるためにグラフを書くということを忘れないでください。