こんにちは、わたなべです。
今日は、エタノールと
その誘導体に関する演習問題を
解いていきます。
アルコールの中で最も代表的なエタノールは、興行的にはリン酸を触媒として(ア)に水を付加して合成するほか、デンプンの加水分解で得られる(a)グルコース(ブドウ糖)から、酵母を用いたアルコール発酵でも作られる。
エタノールは中性物質であるが、(b)エタノールに金属ナトリウムを入れると反応して水素を発生し、(イ)になる。エタノールを参加すると(ウ)になり、更に酸化がすすむと(エ)になる。
エタノールに濃硫酸を加えて約140℃に加熱すると、脱水反応がおこり(オ)を商事、約170℃で濃硫酸とともに加熱すると、分子内で脱水反応が起こり、(ア)を生じる。
エタノールに要素と水酸化ナトリウムを加えて加熱すると(カ)の黄色沈殿が生成する。
問1空欄(ア)〜(カ)に適当な化合物名を記せ。
問2下線部(a)について、グルコースからエタノールを生成した化学反応式を記せ。
問3下線部(b)について、エタノールと金属ナトリウムの化学反応式を記せ。
問4化合物(ウ)を検出する方法について、「用いる試薬と操作」および「観察される現象」を簡単に記せ。
エタノールづくし!
この問題はエタノールづくし、
エタノールの性質や重要なことが
詰まっている問題なので、
何度も復習しましょう!
エタノールの製法
エタノールは
『(ア)エチレンにリン酸触媒下で
水を付加させる』
のが教えた製法でした。

そして、
もう1つのエタノールの製法が、
『アルコール発酵』なのです。
$$C_6H_12O_6$$
で表されるグルコースを酵母に含まれる、
酵素チマーゼを用いて発酵させても
エタノールを得る事が出来ます。
この反応式は、面倒くさいので、
覚えてしまってください。
反応の内容が問われる事はなく、
エタノールがこの反応で生成する事と、
反応式を覚えておいてくれれば、
それで問題は解けます。
ただ反応式をひたすら唱えて
暗記するのは、俺の提唱する
暗記に対する考え方に
反します。
暗記した事を長期的に保つ方法は
下の記事に書きました。

グルッチェというよくわかんない
料理があると思ってください(笑)
この反応式が問2の答えです。
エタノールと金属ナトリウムの反応
強還元剤である金属ナトリウム
(=Naの単体)をエタノールと
反応させると、下のように
(イ)ナトリウムエトキシドと水素に変化します。

これが問3の答えになります
エタノールの酸化反応
第1級アルコールである
エタノールは、酸化されると、
(ウ)アセトアルデヒドを経て、
(エ)酢酸になる。

エタノール 酸化反応
アセトアルデヒドは、下図のように、
アセチル基を持つので、
NaOHaqにI2を加えて加熱すると、
黄色のCHI3が沈殿する。

ヨードホルム反応については
こちらをご覧ください。
太字の部分が問4の答えになります。
またアセトアルデヒドは、
アルデヒド基を持つので、
アンモニア性の硝酸銀aqを加えて
温めると、Agが析出する
銀鏡反応が検出できます。
銀鏡反応についてはこちらの動画で
解説しています。
エタノールの脱水反応
エタノールは強い脱水剤として、
濃硫酸を用いると、
130℃〜140℃では、主に分子間脱水
が起こり、
(オ)ジエチルエーテルが、
160℃〜170℃では、主に
分子内脱水がおこり、エチレンが生成する。

エタノールとヨードホルム反応
エタノールは下図の点線を付けた部分が、
端から2番目第2級アルコールと
同じ構造なので、

エタノール ヨードホルム反応
第1級アルコールであるものの、
ヨードホルム反応に陽性で
NaOHaq+I2+加熱で
(カ)ヨードホルムの黄色沈殿が生成する。
以上がこの問題の解説となります。
この問題は、
エタノールの復習ができるだけでなく、
ヨードホルム反応や、
銀鏡反応の復習にもなるので、
確実にもう一回と解いておいてください。