こんにちは。
糖類を勉強していると、「二糖類」というのが出てきます。
これが面倒なのは、還元性を持ったり、持たなかったり、
そして、さらに面倒なのが二糖類を覚える事です。二糖類は単糖が結合したものですが、この「単糖の組み合わせ」が非常にわかりにくいのです。
ここが覚えられなくて飽き飽きしている人も多いのではないかと思います。
なので、二糖類の還元性についてや、二糖類の覚え方、おまけで計算問題に関してキッチリマスターしてもらおうと思います。
目次
二糖類とは?
単糖の2分子がグリコシド結合をして、1分子になったものを二糖類と言います。
このグリコシド結合について詳しくは下の記事をご覧下さい。
グリコシド結合とは?加水分解の反応も合わせてどうぞ!
二糖類の分子量
二糖類は、計算問題でもよく出てきます。
二糖の分子量は、単糖2つが脱水縮合する者なので、単糖の分子量180から、
180×2-18=342
と求められます。
簡単に出せますが、なかむらは、ある程度この辺の分子量を語呂で覚えてしまっていました。
地頭さん死にました.
二糖類の還元性の有無
二糖類には還元性があるのかどうかですが、これはヘミアセタール構造が非常に大きく関わってきます。
でも書きましたが、糖が還元性を持つのはヘミアセタール部分が開環することで、アルデヒドをもつからです。
つまり、下のような二糖は、
還元性を持ちます。なぜならヘミアセタールを持っているためです。
しかし、下のような二糖は、
ヘミアセタール同士で脱水縮合していますね。そしてアセタールを作っているので、ヘミアセタールが1個も残っていません。(OHがどちらから抜けるかはどちらでも良いです)
なので、このような二糖類は、開環できませんので、還元性を示すことはありません。
二糖類の覚え方
つぎは二糖類の覚え方に入っていこうと思います。
二糖類の性質は実は、結構わかりやすいのですが、躓きポイントは実は二糖類がどの単糖からできているのかな?ということです。
二糖類は単糖同士の組み合わせでたくさんの種類の二糖類ができてしまいます。
そこで、ある程度有名なものに関してはきっちり覚えておく必要があります。その覚え方を紹介していきます。
※案外なかむらがてきとうにつくったゴロが多いので、覚えにくい可能性があります。なので自分で考えるのが一番いいと思われます。
それでは代表的な二糖類を具体的にあげていこうと思います。
マルトース(麦芽糖)
これはマルトースと言います。これはαグルコースが2個、グリコシド結合によって連結している構造です。
これは、本来多糖類であるデンプンを加水分解して得られます。
デンプンを加水分解するとデキストリンと言うぶつ切りが出来て、それをさらに加水分解するとマルトースが出来ます。
ちなみに、ヘミアセタールは残っているので、水中で還元性を持ちますし、α型とβ型が存在します。
ワタナベ流の覚え方は、
です。
ちなみにこれは意味があります。『ハリーポッター』の世界では、人間と魔法使いの混血の事をマグルと言います。
このマグルがグルなのです!
ハリーポッターを知らない人は無理ですが、知っている人は、これで覚えてみてください!
セロビオース
このセロビオースは、セルロースを加水分解してできた二糖類です。
セロビオースの左はβグルコースです。そして右もβグルコース(開環するため上下はαなこともある)を180°回転させたものです。
なぜなら、
このようにセロビオースは、このように上下に離れています。だからちかづけるために先ほどのように横軸に180°回転させます。
覚え方は、
ベト(β)ベト(β)の背広(セロビオース)は一生(1位と4位のグリコシド結合)着ない!
です。
ちなみに片方はβグルコースである必要は無く、水中で開環します。
これはもちろん、ヘミアセタールが残っているからです。
ラクトース
ラクトースはβガラクトースとグルコースから出来ています。
グルコースにはヘミアセタールが残っているので、開環出来るため、αにもβにもなります。鎖状構造にもなれるので、「還元性」ももちます。
よって
これによりグリコシド結合をして、ラクトースを形成します。
この覚え方は、最初のマルトースと合わせて覚える語呂になってしまいますが、
ぐる(グルコース)ぐる(グルコース)回る(マルトース)主婦が楽(ガラクトース)(ラクトース)
というような語呂です。一番最初のグルはマルトースもガラクトースも共通です。
グルコースとなにがグリコシド結合するかを表しています。
グル+グルならマルトースですし、グル+ガラクトースならラクトースなわけです。
またラクトースを分解する酵素はラクターゼです。
スクロース
これは、αグルコースの1位とβフルクトースの2位が結合しています。
αグルコースはOHがしたについています。しかし、そのままでは、フルクトースにグルコースと結合できるOHがありません。
なので、このようにβフルクトースを回転させます。
すると、
このようになります。
この流れがわかりにくかった人に、かる〜く動画で説明しています。
ちなみに、スクロースには『ヘミアセタール』が残っていません。アセタール×2となっています。
これより、ヘミアセタールが無い事から還元性はありません。
それではこのスクロースが結合する単糖の組み合わせの覚え方語呂をお伝えします。
これは、
ちなみにすぐる=卓で江川すぐるのことです。元巨人のエースです。阿部は巨人のキャッチャーです。江川はプライドが高いので、阿部のサインにクビを振ります。意地でも。
どうでしょうか!グルコースのα型とβ型のフルクトースが1位と2位でグリコシド結合をすると言う語呂です。
スクロースは今までの流れ的に分解酵素が『スクラーゼ』であってほしい。
でも残念ながら、このスクロースの分解酵素は『インベルターゼ』という名前で答えさせられる事が多いです。
いかがでしたか?
二糖類はこれで入試問題に出るところはほとんど網羅できます。
また単純暗記をしなければならないところは、なるべく語呂で潰すようにしました。
これを何度も復習して取り組んで下さい!
それではありがとうございました!
スクロースのごろはなんで卓=グルコースなんですか?
スクロース+グルコースでしたね。すみません。
マルトースやラクトースの説明においてα‐グルコースとすべきところが、図中ではβ‐グルコースで表記してあるように思えるのですが、これは間違いでしょうか。
いえ、あっています。
βマルトースです。マルトースでαグルコースである必要があるのは左だけです。
二糖類の図を見て、還元性の有無を判断する事は、もう諦めていましたが、この記事を見てやっと理解できました。入試本番でも解ける自信がつきました。ありがとうございます。
スクロースの回転した後が脱水縮合できるOHが無いになってるのですが、多分間違ってると思います
スクロースの分解酵素についてですが、スクロースを加水分解すると転化糖ができる、転化は英語でinvertだからその酵素はインベルターゼ、と言うふうに覚えると言うのはどうでしょうか。
おお、ありがとうございます!