硫黄の同素体同士の斜方硫黄と単斜硫黄ですが、この2つは分子式、分子の構造も同じように見えます。この記事に来てくれた人も、斜方硫黄と単斜硫黄って何が違うんだよ と感じているはずです。
今回の記事では、斜方硫黄と単斜硫黄の違いが「分子同士がファンデルワールス力でくっついた分子結晶によるものである」ということを詳しく解説していきます。
この記事を読み終わる頃には、記述問題に出題されても大丈夫なくらいしっかり理解することができるでしょう。
※この記事は1分半で読み終わるので、サクッと読んでみてください。
目次
斜方硫黄と単斜硫黄の相違点
分子の立体構造
斜方硫黄と単斜硫黄は単体分子を形成します。

斜方硫黄と単斜硫黄は両方とも分子式S8からなります。

このような王冠のような形になり、ここに斜方硫黄と単斜硫黄の構造の違いはありません。
斜方硫黄と単斜硫黄の分子結晶の違い

基本的に斜方硫黄は常温で安定です。ですが、95.3℃あたりで斜方硫黄から単斜硫黄に変化します。なので、95.3℃くらいの時は、単斜硫黄が現れます。
斜方硫黄を高温(95.3℃)にすると単斜硫黄になる。
つまり、単斜硫黄は高温状態なので、分子運動が激しくなっています。

このことから、斜方硫黄よりも単斜硫黄の方が原子運動が激しい分体積が大きくなります。この結果分子結晶に若干の違いが現れます。

出典:http://goukakunokotu.seesaa.net/article/434909751.html
単斜硫黄の方が高温で原子運動が大きいので、分子結晶の体積が大きくなります。これすなわち結晶の密度が小さくなります(体積が大きくなって質量は変わらないので)

問題文の表現
硫黄の同素体の斜方硫黄と単斜硫黄は問題文で異なる表現が用いられるます。
斜方硫黄→塊状結晶(八面体)
単斜硫黄→針状結晶
このようになります。
まとめ
斜方硫黄と単斜硫黄は、分子式(S8)も分子の構造(王冠型)も同じだが、単斜硫黄が高温で分子運動をしているので斜方硫黄より、体積が大きい。なので密度は斜方硫黄より小さい。
分子結晶が異なる。
いかがでしたか。わかりにく斜方硫黄と単斜硫黄の違いもスッキリわかったと思います。このブログではブログで公開できない極秘受験テクニックを「無料電子書籍:理論テンプレート」で公開しています。